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安倍首相八面六臂の活躍

 この9月22日から27日まで、安倍首相はニューヨークを訪問し、国連総会で一般討論演説を行うとともに、国連気候サミットなどの国際会議で演説、また、関係国首脳との会談も精力的にこなし、日本の存在感を高めました。マスコミは国連総会での一般演説とクリントン前国務長官との対談ぐらいしか報道していませんが、自国の首相の外交活動が、国際社会で高く評価されていることを、もつと国民に報せるべきです。

●国連総会
1.9月25日、第69回国連総会で一般討論演説

●国際会議
 1.9月23日、国連気候サミット((プレナリー・セッション)
 2.9月24日、第二回日・アフリカ地域経済共同体(RECs)議長国首脳会合で演説
 3.9月25日、国連エボラ出血熱流行対応ハイレベル会合で演説
 4.9月26日、国連PKOに関するハイレベル会合で演説、共同声明発表

●二国間会談等
 1.9月22日、米国で活躍する女性企業関係者との昼食会
 2.9月22日、コロンビア大学訪問
 3.9月23日、対日投資セミナーで挨拶
 4.9月23日、外交問題評議会(CFR)との懇談及び昼食会でスピーチ
 5.9月23日、日・モンゴル首脳会談
 6.9月23日、クテサ第69回国連総会議長との会談
 7.9月23日、日・イラン首脳会談
 8.9月24日、安倍総理夫妻の和食レセプション
 9.9月24日、日本人国際機関職員の激励会
 10.9月24日、クリントン・グローバル・イニシアティブ国際会議での対談
 11.9月24日、日・エジプト首脳会談
 12.9月24日、日・パナマ首脳会談
 13.9月24日、日仏首脳会談
 14.9月24日、潘国連事務総長との会談
 15.9月24日、日豪首脳会談
 16.9月26日、日本・太平洋島嶼国首脳会合
 17.9月26日、バイデン米副大統領による安倍総理表敬

●国連総会一般討論演説 

   140930安倍首相の国連演説 
 9月26日、国連総会で一般討論演説を行いましたが、大変評判がよかったそうです。ここに演説の抜粋を掲載いたします。

 議長、来年私達は、国連発足70周年を寿(ことほ)ぎます。国連が出来た頃、日本は一面の焦土から再起しました。以来片時として、戦争の悲惨を忘れたことはありません。自国、他国を問わず無辜の民に惨禍を及ぼした戦争の暴虐を憎み、平和への誓いを新たにするところから、日本は戦後の歩みを始めました。国連活動への、全面的な献身を自らに課す責務としました。

 日本の未来は、既往70年の真っ直ぐな延長上にあります。不戦の誓いこそは、日本の国民が世々代々、受け継いでいく、育てていくものです。紛争がその居場所を、我々の心と生き方の中から失って初めて、平和は根を下ろします。そのためにこそ、日本は、世界の草の根で働き続けようとしています。日本とは、これまで、今、この先とも、積極的な平和の推進力である。しかも人の心から「ウォー・カルチャー」をなくそうとし、労を惜しまぬ国であると、まずはそう申し上げ、約束としましょう。

 早くも1980年代半ばから、日本はガザで人材育成の協力を始めました。行政官や技術者たちで日本に渡り集中訓練を受けた人の累計は、400人を上回ります。その1人、まだ若い男性ナジャール・オサマ氏は、「ガザには資源が何もない。あるのは人だけで、それは日本も同じだ。自分が日本で学んだのは、決して諦めない精神だ」と語るエネルギー天然資源局の行政官です。日本で1カ月の教育を受けた後、オサマさんは太陽光発電技術を故郷に持ち帰りました。自立電源が最も必要となる施設に、設備を取り付けます。ガザ地区最大の病院に彼とその仲間が導入した装置は、騒乱を耐え抜き、病院の緊急処置室に、明かりを灯し続けたのです。

 ソマリアの挿話がやはり明かりにまつわるものであることは、偶然とは思えません。モガディシュの国内避難民キャンプに暮らす10歳の少女、ハミダ・ハッサンちゃんにとって何より必要なものは、夜のテントを明るくする灯でした。明かりに照らされたテントが、性暴力に対する抑止になるのです。昼間の陽光で作った電気を貯え夜の灯火に変えるパナソニック製の小さなランタンを、日本はこの2年で2500個、ハミダちゃんら、いとけない少女を含む避難民のテントに配布しました。いまハミダちゃんは、医者になろうと夢を抱き、勉強に励んでいます。我々は、人の心から不安や恐怖を取り除き、憎しみの芽を摘み取り続けていかねばなりません。そのため日本国と日本国民は、おのれの意欲と能力、知識と経験を、惜しまず差し出し続けます。

 まずは、成長の基盤となる教育の充実を、初等教育から職業教育まで、必要とされるところでお手伝いします。目的とするところは、常に同じ、すなわち労働の喜びを、我が物としてもらうことです。働いて流す汗は、未来への投資だと実感してもらいましょう。伸びる道路や、港、つながっていく電力網は、それらと歩みを一にして改善するガバナンスとあいまって、豊かで平和な、人権が尊ばれる社会をもたらすものなのだと、広範な支持を得たとき、人は、社会の真の意味でのオーナーになります。こういう社会を点から線へ、線から面へと広げていくところに、日本は平和の基盤を求めてきました。対外援助の思想を託してきました。

 我が政府が旗印とする「積極的平和主義」とは実に、長年「人間の安全保障」の増進、すなわち人間を中心に据えた社会の発展に骨身を惜しまなかった我々が獲得した確信と、自信の、おのずからなる発展の上に立つ旗です。やがてそこから公平・公正で、人間を中心に据えた社会、人権を尊ぶ民主主義がふくよかな稔りを結ぶことを望みつつ、この営みに、日本は邁進してやみません。70年前、国連は「戦争の惨害から将来の世代を救い」、「寛容を実行する」と謳いました。国連もまた、その理想を失ってはならないのです。

 議長ならびに各国代表の皆様、まさしくこのような決意をもって、国連がその発足70年を祝う明年の選挙で、日本は非常任理事国として、再び安全保障理事会に加わりたいと考えています。日本は80番目の国として国連に列した1956年以来58年の長きにわたって、国連の大義に自らを捧げて倦むことを知らず、その努力において人後に落ちない国であると確信するものです。節目となるのを機に、我々皆が、志をともにする国々の力をあわせて遂に積年の課題を解き、21世紀の現実に合った姿に国連を改革して、その中で日本は常任理事国となり、ふさわしい役割を担っていきたいと考えています。

 20世紀には、ひとたび紛争が起きると、女性の名誉と尊厳が、深く傷つけられた歴史がありました。女性に生まれたというだけで、医療ケア、教育といった基本的サービスを受けることができない、ゆえに自立の機会に浴せないという忌まわしい状況が、世界のあちこちに、なお存在します。

 日本は、世界中のそうした女性たちに寄り沿う国でありたい。心に大きな傷を受けた女性たちの自立を、世界中で応援し、支えていきたいと考えています。21世紀こそ、女性に対する人権侵害のない世界にしていく。日本は、紛争下での性的暴力をなくすため、国際社会の先頭に立ってリードしていきます。日本がザイナブ・バングーラ「紛争下の性的暴力担当事務総長特別代表事務所」との連携を強化したゆえんがここにあることは、いまさら多言を要しません。

●一方、中韓の演説は?
 中国は、王毅外相が国連総会で演説し、冒頭、来年は第2次世界大戦の終結から70年の記念の年になる。日本の軍国主義者による侵略で中国だけでも3,500万人の兵士や市民が死傷した」と述べました。さらに、各国に対し、来年を大戦の終結から70年の記念の年にするよう提案し、中国が過去の歴史の風化を許さないという姿勢を示して日本をけん制しました。
 
 韓国の朴槿恵大統領は、北朝鮮の核開発問題を「朝鮮半島、北東アジアへの最大の脅威」と批判したのはよいとして、「戦時の女性に対する性暴力は時代や地域を問わず、明らかに人権や人道主義に反する行為だ」と述べ、間接的に旧日本軍の従軍慰安婦問題に言及しました。

 このように従来とトーンを下げていますが、相変わらず70年以上も前の、それもウソ話を持ち出しています。彼らには国際的な場においても、日本を誹謗することしか言うべきことがないようです。それに比べて、安倍首相は、国連発足後の日本の取組、特徴ある世界への貢献、対外援助の思想、積極的平和主義、世界における女性問題など、なかなか素晴らしい演説だったと思います。

●国連総会以外の場で
 国連総会に先立つ9月23日に、「対日投資セミナー」で安倍総理は次のように挨拶をしました。
「この2年間日本に来ていない方、是非日本を訪問していただきたいと思います。我々が政権をとる日本と、その後の日本は大きく変わりました。是非日本を見ていただき、日本に投資していただきたいと思います。」

 また、9月23日の国連気候サミットでは、地球温暖化対策に関する日本の取組を紹介するスピーチを行いました。
 午後の分野別のセッションの「強靱性」セッションでは、スチュアート・バルバドス首相と共に共同議長を務め,国際社会において日本が強みを持つ防災分野における日本の国際協力について発信しています。

 さて、9月24日には、クリントン前米国務長官と対談を行ないました。

140930安倍・クリントン対談


 この中で、安倍総理は、女性の活力を活用する意義について、「企業では女性の参加で生産性は向上する。平和構築でも女性が参加した方がうまくいく」と強調しました。
 ヒラリー氏は、安倍首相の国連総会で「紛争下の地域、貧困に悩む国々でも女性が輝く社会をもたらしたい」と訴えたことなどを高く評価し、「この課題に対する首相の支持について長く注目してきた」、「女性による貢献で、日本経済が繁栄するという将来ビジョンを明瞭に訴えてくれたことに感謝する」などと強調、その上で、「私は首相のパートナーであることを誇りに思っており、いかなる方法でも支援していく考えです。前進あるのみ!」との激励したとのことです。

 さらに、9月24日、安倍総理は,第二回日・アフリカ地域経済共同体(RECs)議長国首脳会合を主催しました。出席者は約100名です。
 この会合で安倍首相は,RECsがアフリカ地域統合の要であり,日本はRECsと共に対話を密にしつつ,アフリカのインフラ整備を拡充・強化していく旨述べています。また,日本の借款で建設したコンゴ民主共和国の橋(マタディ橋保全計画)やケニアのモンバサ港開発計画に触れつつ,モノだけでなく人材を残す,地元に強いオーナーシップを育てるという日本のODAを貫く思想があることを紹介しました。

 9月26日には、国連エボラ出血熱流行対応ハイレベル会合に出席し、エボラ出血熱の流行に終止符を打つためにできる限りのことをするとの決意を示した上で、「これまで実施済みの支援に加え,新たに4000万ドルの支援を行う」、「日本企業が開発した候補薬品の提供の用意があること」、「防護具、車両の提供,医療関係者の更なる派遣を検討していること」を表明しました。

 また9月26日、安倍首相は「国連PKOに関するハイレベル協議」に参加し、PKOへの参加拡大を表明しました。「積極的平和主義」に基づいて、日本の国際貢献の姿勢を示すものとなります。現在、自衛隊のPKO派遣は、南スーダン派遣のミッションだけとなっています。

 
 このように安倍首相は国際舞台で八面六臂の活躍をされて来ました。繰り返しになりますが、マスコミは、自国の首相が国際機関で何を主張してきたか、国民にきちんと報道すべきと思います。アベノミクスの第三の矢がうまくいっていないことだけを取り上げて、保守系の人でも安倍批判に走る人が見られますが、経済面はともかく外交面では、歴代の首相にはない見事な外交を展開し、日本の国際的立場を高めているのは間違いありません。

以上
(うまし太郎)

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未分類 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2014/09/30 12:44
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