三菱マテリアル、和解の裏に元外務省役人

 6月1日付け産経新聞の記事です。

 『第二次大戦中、日本で過酷な労働を強いられたとして中国の元労働者らが日本企業に賠償を求めている問題で、三菱マテリアル(旧三菱鉱業)は6月1日、謝罪の表明とともに、1人あたり10万元(約170万円)を支払うことなどで、元労働者らと和解した。北京市内のホテルで調印式が行われ、両者が関連文書に署名した。日本企業が絡む他の戦後補償問題にも影響しそうだ。

 三菱マテリアルは「人権が侵害された歴史的事実を率直かつ誠実に認め、痛切なる反省の意を表する」とする謝罪文を発表。労働者側は「日本政府とほかの加害者企業も三菱マテリアルのように歴史を直視し、強制連行労働者の問題で正しい決断をするよう求める」とした声明文を発表した。

 三菱マテリアルは基金を設置して元労働者に補償を行うほか、被害者救済、記念碑の建設、失踪者調査などの費用も負担する。

 三菱マテリアルで働いた元中国人労働者は計3765人。関係者によると、確認された元労働者や遺族のうち、「9割以上との和解が成立した」としているが、元労働者の一部は、謝罪文の文面や賠償金額などに不満があるため、和解に同意していないという。

 中国の元労働者たちは日本コークス工業(旧三井鉱山)などにも損害賠償を求める動きをみせており、中国政府はこれを支持する姿勢を示している。今回の合意を受け、日本企業や団体を訴える動きが加速する可能性もある。
    http://www.sankei.com/world/news/160601/wor1606010025-n1.html

        160606三菱マテリアルの和解

 三菱マテリアルの社外取締役に元外務省役人の岡本行夫が就任しています。

 昨年7月21日の産経に「三菱マテリアル、元米兵捕虜等に謝罪 日本企業で初」とした記事がありました。同社の前身の三菱鉱業が戦時中に、日本国内の4箇所の鉱山に米軍捕虜900人を受入れ強制労働をさせたことに対して、元捕虜の一人と謝罪したとのことです。

 岡本行夫は同年7月27日の産経「人界観望楼」で「日本は70年前の負の遺産から逃れられない」と述べ、更に「私はその企業の社外役員として(謝罪の)その場にいた。感動的であった」と、舞い上がっていました。

同社はすでに、戦時に「強制徴用された」とするシナ人労働者の遺族から謝罪と金銭的補償要求の裁判を起こされていました。岡本行夫は「感動的」な情緒を以て、次のように述べています。

「『徴用工』問題は戦争捕虜とは法的整理は異なるが類似している。裁判に対して不誠実な対応は出来ない。捕虜問題を含めて日本は70年前の負の遺産から逃れられない。国家はモラルを失えば漂流する。
   http://heigokai.blog.fc2.com/blog-entry-1366.html

 岡本行夫は安倍首相の「戦後70周年談話」のために作られた有識者懇談会のメンバーでもありました。この答申書は「『日本は悪いことをした』、『外国に迷惑をかけた』という誇りを失った自虐史観が中心にありました。岡本行夫は 座長代理であった北岡伸一と共に議論をリードしたと思われます。

 今回の三菱マテリアルの謝罪と金銭支払いの「和解」には、社外取締役としての岡本行夫が大きく関わっていると言ってよいでしょう。しかし国家間の問題を個人的な「感動」なる情緒で考え、意味不明の「国家のモラル」を「国益」の上位に置く岡本行夫のような考え方こそ、国家を「漂流させる」と言ってよいでしょう。

 「引けば押す」のがかの国の流儀です。一企業としては「和解」したつもりが、今後必ずや他の企業にも禍が及び、戦後補償問題は解決済みとの国家の原則を揺るがすものになるでしょう。「国家」が見えない「元」とはいえども外務省役人の国益を損じる問題が、またしても発生しているのです。

 6月5日付産経「主張」は、国益からの基本的な考え方と、政府は民間企業任せにするのではなく、国家として断固たる処置を取れと次のように述べています。正に正論です。

(産経主張要旨)
 戦後補償問題は、昭和47(1972)年の日中共同声明で中国政府が「日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する」とし、解決を明確にしたことを忘れてはならない。

 中国人元労働者らが日本の裁判所に起こした訴訟で、最高裁は平成19年、日中共同声明が、個人の請求権を含め放棄することを定めたサンフランシスコ平和条約の枠組みに沿ったものであることを判示し、訴えを退けている。

 終戦で日本は当時の国家予算をはるかに超える中国にあった在外資産を放棄した。戦後、多額の政府開発援助(ODA)を中国に行ってきた経緯もある。

 そうした戦後処理の枠組みの中で、過去に中国の裁判所は元労働者らから戦後賠償を求めた訴訟が起こされても受理しなかった。

 だが一昨年、三菱マテリアルなど2社に賠償を求めた訴訟を北京市の裁判所が受理した。中国の司法機関は実質的に共産党の指導下にあり、訴訟受理は賠償請求が容認されたとみられていた。ほかにも中国で日本企業に戦後賠償を求める訴訟などが相次いでいる。

 政府は戦後補償問題を「解決済み」とする一方で、今回の和解について菅義偉官房長官は「民間当事者間の問題として自主的に相談して解決されたことだ」としている。だが企業に判断を委ねていい問題なのか。

 「解決済み」の原則を崩し、根拠のない請求に応じれば、さらなる不当な要求を招くばかりだ。国際合意を損ねることには断固たる拒否を明確にすべきだ。
(紹介終わり)

以上
(うまし太郎)

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教育 | コメント:(2) | トラックバック:(0) | 2016/06/06 13:53
コメント:
No title
 こうして、国家は腐って行くのでしょう。
 世界は、何処の国も自国以外は弱く劣って居て欲しいのです。日本人だけが共存共栄を本当に信じてきたのです。
 勿論何処の国にも道徳的な人は居ます。でも彼らは自国が苦しんでまで他国を救うことはしません。日本人は、何故自国をとことん貶めてまで他国に尽くすことが美徳だと思うのでしょうか?
 福島瑞穂が、こう言いました。
 “(他国が攻めてきたら、)相手をkoroすよりkoroされる方がいいですし~~。”
 自分の子供や家族や友達や同胞を救うこと無く、無抵抗でkoroされるのは、美徳では無く裏切りではないのか? 

 不正な投稿ですって。korosuがいけないのかな?
No title
 一寸補足させて下さい。

 三菱マテリアル問題の基本は、シナ人の強制労働など元々ない話を、日本を脅せばカネになるとしてシナ人に捏造され、日本側に自虐史観に染まった外務官僚やマスメディアが、戦後70年にして今だいて、シナの言い分に同調していることにあります。岡本行夫などは、国益を損しても、日本が悪いことをしたからとして補償する姿勢に快感を覚えているのです。精神も感性も倒錯しています。

 三菱マテリアルは、当然今後のビジネスに対する影響を計算しているはずですが、企業ガバナンスを謳う社外取締役の発言に抗しきれなかったというのは善意の見方で、実態は経営陣においてすら、戦後自虐史観に染まったままの連中が多いと言うことでしょう。

 その反面教師がJR東海の葛西敬之現名誉会長です。葛西氏は葛西氏は、新幹線技術のシナへの移転を国益に沿わないとして断固拒み続けました。

 岩崎弥太郎による三菱グループの創業の精神は、事業は「国のため、社会のため」が第一、それをやるために経済合理性を確保するのが第二、この考え方を表現したのが、「所期奉公」という言葉でした。その精神が戦後自虐教育の中で、経営陣から失われてしまっていると言うことが、もう一つの問題の基本としてあると思います。今グローバル化が喧伝されている中で、国家概念のない企業が増えていくとしたらかなりやばい話と思います。

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