世界が賞賛する「日本人が知らない日本」

 去る1月4日、横浜駅前神奈川県民ホールで、伊勢雅臣氏の新春講演会がありました。伊勢雅臣氏と言えば、日本人を元気にするメルマガ「国際派日本人養成講座」を毎週1回、発信し続けている方です。創刊20年にもなり、昨12月末で累計980件、人生観から始まり、日本の思想、歴史、近現代史、大東亜戦争論、戦後の問題、韓国・中国問題、現代日本の政治・外交問題、皇室、教育、国旗・国歌、国防、ジャーナリズム問題など、誠に多様なジャンルで、具体的な事例を中心に啓蒙活動を続けて来られています。愛読者は4万7千人とのことです。
 同氏は昭和28年生まれ、東京工業大学卒業後、企業の社員留学制度により、米カリフォルニア大学バークレー校経営学博士を取得、現在、アメリカで企業経営に従事しています。
 同氏の思いは、海外滞在経験から海外ビジネスにおいて、日本人の「日本に対する意識の欠如」が問題であると気づき、海外ビジネスに関わる人だけでなく、全ての日本人にとって、必要なことではないかと、本業の傍ら情報発信を続けているとのことです。
 この度の講演は、たまたま年末年始に日本へ里帰りした機会に、地元の「藤沢憲法おしゃべりカフェ」により設けられたものとのことでした。以下、講演要旨を紹介させて頂きます。

                 170104伊勢雅臣氏講演2

《要旨紹介》
1.安倍首相の真珠湾スピーチ
 慰霊の旅であり、謝罪の旅ではなかった。次の点で大変よかった。

①万国共通の思いからスピーチをスタート
・「一人一人の兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。愛する妻や恋人がいた。成長を楽しみにしている子供達がいたでしょう。それら全ての思いが断たれてしまった。その厳粛な事実をかみしめる時、私は言葉を失います。」
 安倍首相のこの思いは、敵味方なく万国共通だ。すなわち、日米は慰霊においては同じ立場と言っている。
②勇者は勇者を敬う、新しい両国関係
・安倍首相は、戦艦アリゾナの兵士への慰霊と共に、日本の英霊にも触れた。戦闘機パイロットの飯田房太中佐だ。その墜落地点に碑が建てられている。それを建てたのは、攻撃を受けた側の米軍で、敵とは言え、祖国のため命を捧げた軍人への敬意が込められている。安部首相は、アメリカ国民の寛容の心に感謝の気持ちを述べる。
・「勇者は勇者を敬う」。安部首相は、日本人兵士も勇者であったと言っている。その上でよく戦った者同士が敬い合うことを新しい両国関係のスタートにしようと言っている。
③寛容の心、和解の力、希望の同盟で中韓に先制攻撃
・アメリカの寛容を讃え、「憎悪が憎悪を招く連鎖」断ち切ろうと言う。そして寛容の心、和解の力を世界に向かって訴え続けていくのが日米同盟であり、だからこそ「希望の同盟」と言う。
・これは言外に憎悪をかき立てる国があることを示し、中韓に大いなる先制攻撃を掛けたことになる。
④「リメンバー・パールハーバー」の意味を逆転
・従来は日本軍の卑怯な奇襲の象徴であった。しかし両首脳の慰霊とスピーチにより、パールハーバーは「寛容と和解」の象徴になった。

2.ウォール・ストリート・ジャーナル紙の評価
 安倍首相の真珠湾訪問をアメリカはどう評価したか。アメリカのメディアは大半がサヨク・リベラル系。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は保守系の中で良識的なメディアでうあり、米の保守層がどう捉えたかをみることが出来る。
 2016.12.18付けの同紙社説は「安倍首相が率いる日本は、米国の安全保障上の重要なハートナー」だとして、次のように述べている。
・真珠湾攻撃から75年が経過し、北朝鮮の核兵器と中国の野望が太平洋地域に脅威を与えている中、日本は米国にとって安全保障上の最重要なパートナーだ。
・トランプ氏は選挙期間中、日本は米国が攻撃されても“自宅で座ってソニー製のテレビを見ているだけ”と批判したが、それはもう事実ではない。
・今や日本の自衛隊は、米国を狙って発射された北朝鮮のミサイルを打ち落とすことも可能だ。
海上自衛隊は、英国海軍より規模が大きい。アジアの海で、中国から手を出されそうな米国の船を護衛することも出来る。

3.見識のない日本のメディア
 トランプ現象に対する日本のメディアの分析はお粗末であった。2016.11.10の日本経済新聞は、「社会分断、危うい大衆迎合」として、次のように論じた。米国はグローバリズムの見直しを始めているのに、日本のメディアは周回遅れで相変わらずグローバリズムに立脚している。フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」は、アメリカの世界戦略のプロパガンダに過ぎなかった。

・トランプ当選は革命と言っていいだろう。米国民は過激な異端児に核兵器のボタンを預け、経済と政治の変革を託した。
・「トランプ氏は庶民の弱みにつけ込んで、偏狭なナショナリズムの封印を解いてしまった」と米政治学者フランシス・フクヤマ氏は言う。
・自由貿易の拡大や移民の流入に背を向け、国を閉ざそうとする「米国第一主義」の危うさは否めない。

4.アメリカの大義と国体
(1)独立宣言がベース
・アメリカは、軍人への敬意と感謝は世界の中で随一である。空港には軍人専用ラウンジがある。搭乗口が混んだとき、優先搭乗が認められている。
・アメリカは、イギリスの圧政から逃れた人々が自由のために建国した国だ。その自由を護ってくれるのが軍人であるとして尊敬される。一方日本は、その対極にある。日本の常識でアメリカを見ると間違える。
・独立宣言では、人民の権利を確実にするために、人民が政府という機関を持つとしている。
・政府による権利侵害が度重なれば、その政府を投げ打つのは、人民の権利でありかつ義務としている。
(2)大義のために戦う
・レーガン大統領はベトナム戦争戦没者慰霊式で、自由のために戦った戦争の大義は正しかった、負けたのがよくなかったと言った。
・独立戦争を戦ったのは普通の人すなわち「民兵」だ。普通の人が戦い国を作った。
・南北戦争は、リンカーンによる奴隷解放の戦争ではない。南部が連邦を離脱しようとしたため、連邦を維持するための戦いであった。
・その折、黒人部隊が創設され、北部の白人と一緒に戦った。それが黒人にも市民権を与える機運を醸成した。
・第2次大戦の時、日系人部隊が創設され、ヨーロッパ戦線で死傷率が全米で最高と言われるほど果敢に戦った。その活躍ぶりが認められ、日系人の評価が高まった。
(3)国籍とは何か
・国籍とは住民票のことではない。属する国家を運命共同体として、いざという時には国を護るために立ち上がる義務を負うものだ。国籍取得の宣誓とは、国のために立ち上がる意思表示である。そのためにアメリカでは英語能力と共にアメリカの歴史のテストを課している。

5.日本の大義と国体
(1)大いなる和の国
・「大いなる和の国」とは、互いの自由を尊重しながら一つの家族のように、必要な時に支え合ったり、その恩返しをしたりする共同体のことである。
(2)八紘一宇
・神武天皇が発せられた建国の詔には、人々を「大御宝」と呼び、「八紘一宇(天の下の全ての人々が家族として一つ屋根の下に住む)」が理想として掲げられている。
・観光旅行で来日したアメリカ人老夫婦が、渋谷ハチ公前のスクランブル交差点をビルの上から見下ろして感嘆した。雨の日で人々は傘を差していたが、ぶつかったり押し合ったりしない。バレエの舞台の群舞みたいに、規則正しく譲り合っていく。演出家がいるようだ。これだけの傘が集まれば、よその国ではこうはならない。日本に来ると、全体が一つの大きな家族のような場所に来たと感じる、と言っている。

6.近代世界システムに挑戦した日本の大義
 近代世界システムとは白人帝国主義国家による植民地支配のシステム。
(1)中国の国父・孫文の発言
・長い間アジアは、ヨーロッパに抵抗できず、永遠にヨーロッパの奴隷でいなければならないと考えていた。
・しかし日露戦争で日本がロシアに勝利した。この勝利は瞬く間に全アジアに伝わり、アジアの全民族は狂喜した。アジア全民族の将来に大きな希望が生まれたのだ。

(2)朝鮮、台湾の新付の領土における大義
・朝鮮併合は正式な条約によって成立。朝鮮国王は皇族に列し、貴族院議員も7人任命された。スコットランドがイングランドと合併して連合王国となったのと同じである。
・台湾は日清戦争の結果割譲されたが、これはアメリカがメキシコとの戦争に勝って、カリフォルニア等の西部諸州を新領土としたのと同じだ。スコットランドやカリフォルニアを植民地という人はいない。
・日本は朝鮮や台湾を新付の領土として大切にした。帝国大学は6番目として京城、7番目として台北に設置された。これは大阪、名古屋の帝国大学より早い。
・朝鮮では日本統治時代に人口が3倍にもなる経済発展を遂げた。台湾にも東洋一のダムや港湾が作られ、世界有数の製糖産業が育った。

(3)国際連盟規約に人種差別撤廃条項の提案
・第一次世界大戦後出来た国際連盟において、日本は人種差別の撤廃を明記するべきという提案をした。当時は世界中が人種差別の時代であった。
・アメリカの黒人は次のように期待を述べた。
「我々黒人は、講和会議の席上で人種問題について激しい議論を戦わせている日本に最大の敬意を払うものである。全米1200万人の黒人が息をのんで会議の成り行きを見守っている。」

(4)「アジア共生の祭典」におけるインドネシア大使の挨拶
・平成7年、武道館で開催された「アジア共生の祭典」で、インドネシアのサイデンマン大使は次のように挨拶した。
「第2次大戦中から戦後にかけて、植民地独立のために多くの日本の青年達が、インドネシアの独立の闘士達と共に肩を並べて戦い、命を捧げてくれた。それら全ての若者達を偲びたい。」
・インドネシア独立義勇軍に身を投じた人々は、2,000人程度と推定され、その内1,000人が戦死している。この1,000人の残留日本兵は、インドネシアの各地にある国営英雄墓地に埋葬されている。

 以上見た朝鮮・台湾の統治、国際連盟における人種差別撤廃の提案、植民地独立戦争における命を掛けた協力などの原動力は、正に八紘一宇の大義、八紘一宇の精神であろう。

7.日本の大義を担った人々
(1)東日本大震災において
・福島原発の下請けの作業員の言
「同僚達は今も原発で働いている。少ない人数で頑張っている。むろん行かなくても誰も責めないだろうが、自分がよしとは出来ない。仲間のために自分は行く。」
・大阪市消防局員の言
「東京消防庁が孤軍奮闘、国民のために命懸けで戦っているのを、同じ消防職員として見過ごすわけにはいかない思いだった。」
・新潟県柏崎市ガス水道局員の言
「中越沖地震の際には仙台市にも助けてもらった。やっと恩返しが出来る。」

(2)大村智教授-4千万人を感染症から救ったノーベル賞化学者
・1グラムの土壌の中には1億個もの微生物がおり、そこから特定の微生物を取り出してはその化合物を調べる、と言う「泥をかぶる研究」を進めていった。特定の微生物を分離する人、その化合物の構造を調べる人、化合物の働きを評価する人などの誠に地道な共同研究であった。
・こうしてある微生物が産出する物質で、寄生虫退治に劇的に効果を持つものが発見された。
・エバーメクチンと命名されたその物質は、皮膚にダニが棲み着いた牛に極く微量投与するだけで、きれいに直してしまった。
チームワークの成果だ。

(3)近藤亨-70歳の誕生日にネパールに旅立った現代の二宮尊徳
・JICAで働いていた近藤亨は、70歳の誕生日に、今度は一個人の農業技術者の奉仕活動として、ネパールの中でも秘境中の秘境、ムスタンに旅立った。
「秘境ムスタンでは、この一瞬でも飢えと寒さに泣いている大勢の子供達が、暖かい援助の手を待ち望んでいるのです。」

(4)サマーワにかけた友情の架け橋-自衛隊のイラク支援活動
・外国の場合、イラク人作業者に作業を命じると、彼らだけを働かせる。日本では、幹部自衛官でも彼らと一緒になって共の汗を流した。
・宿営地の鉄条網の整備の際、日本人とイラク人でチームを作り、有刺鉄線で服はボロボロ、身体中血だらけ汗まみれになりながら作業を続けた。朝食は分け合い、会話本を指差しながら仕事の段取りについて話し合った。
・伊勢氏は米国で企業経営、メキシコに工場を持つが、白人の部下だけ派遣しても上手くいかない、そこに日本人が入ると上手くいくことを何度も経験しているとか。

(5)皇太子殿下の祈り-世界の水問題に取り組む人々の連帯の「象徴」
・日本には水は無制限にある。それも飲める水だ。しかし世界の大半は水不足であるし、飲める水は更に少ない。その水問題を扱う世界水フォーラムのロイック・フォーション会長は次のように言う。
「皇太子殿下のご存在は、水問題に取り組む世界の人々の連帯の“象徴”になっている。」
・無心の心で国民の幸せを祈られるのが我が皇室の伝統だ。殿下は水問題で、グローバルな世界の中で皇室の伝統的精神を発揮され、人々の求心の象徴になっている。

以上
(うまし太郎)

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歴史 | コメント:(3) | トラックバック:(1) | 2017/01/09 18:00
コメント:
実は初めてのコメントです。
あれっ、やっぱりいらっしゃってましたか?
うまし太郎さんらしき方を見かけた覚えがありますが、声をおかけできずすみませんでしたm(__)m

こちらでも参加報告しましたので、TB貼らせていただきますね。
Re: 実は初めてのコメントです。
ありがとうございます。
代理:ブラッキー
No title
ピースさん
トラックバックとコメント、有り難うございます。ピースさんは技術系で多分忙しい中で、またお若いのにもかかわらず、国や社会の問題に対して情報発信されているなど、素晴らしい行動を取られていますね。私も学校は技術系でしたが、ノンポリでまるで国家や社会に対する意識がありませんでした。ピースさん、いろいろ頑張って下さいね。ますますのご発展をお祈りいたします。
うまし太郎

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