放射能を怖がるな!

米国の生化学の研究者ラッキー博士の「放射能を怖がるな!」を読みました。翻訳・解説を「史実を世界に発表する会」事務局長の茂木弘道氏がされております。マスコミにはほとんど紹介されず、知らない人が多いかも知れません。

しかし読んで衝撃を受けました。何と放射能は人間や生物にとって、必要不可欠なものであり、今の自然環境のもとでは、むしろ放射能は不足しているのだ、不足している分を補うために、放射性廃棄物を上手に使えば、むしろ健康増進に役立てることが出来るのだ、と言うのです。

もし本当なら、今福島でどうして人々は故郷を離れ、避難生活を強いられなければならないのか、そんな必要は全くないし、むしろ留まっていた方が反ってその後の健康によい、と言っている様なものです。ラッキー博士の説が正しいのなら、政府は今福島で、真逆の間違った政策を行っていることになります。農産物の風評被害もなくなりますし、除染作業の膨大な費用の投入も不要になります。

ラッキー博士は、一体何を言っており、それは果たして信頼性があるのでしょうか。以下で内容の要旨を紹介させていただきます。

T.D.ラッキー著、茂木弘道翻訳・解説
「ラッキー博士の日本への贈り物-放射線を怖がるな!」(日新報道刊)

《ラッキー博士略歴》
・1941年コロラド州立大学(化学)卒。1944年ウィスコンシン大学(生化学/栄養学)修士。1946年動物のための食餌抗生物質の使用に関する研究により同大学博士号を取得。
・1946年‐1954年、ノートルダム大学助教授、准教授。
・1954年‐1968年、ミズーリ大学コロンビア校生化学講座主任教授。のち同大学名誉教授。
・1968年NASAのアポロ計画に協力、栄養学コンサルタントを務める。
・1959年、地上の数百倍の宇宙放射線環境内での安全性を追求する中で、適度の放射線被曝は「人体に恩恵をもたらす」可能性を発見し、1980年、『放射線ホルミシス』という仮説を発表。
・1984年、ドイツ、ヘルボーン自由大学の名誉教授。たびたび日本で講演。国際ホルミシス学会の7人の指導的科学者のひとり。
・2011年6月、茂木弘道との共著『放射能を怖がるな!』を出版、年間100ミリシーベルトが人間の健康に最も良い線量レベルであると述べている

《要旨》
1.低線量の慢性被爆は怖くはない
(1)放射線被曝には、急性被爆と慢性被爆がある。急性被爆とは、一時に大量に被爆するケースで、広島、長崎の原爆が典型例である。さすが急性被爆では、人は致死に至る。
 一方慢性被爆とは、少量の放射線を継続的に受けるもので、自然環境下では、年間2.4ミリシーベルト(以下msv/年)ある。実はそこから被爆量が増えるに従って、危険になるのではなく、健康指標は高まり、100msv/年は、健康に最もよいレベルである。ちなみに、日本政府の危険とする規準は、20msv/年である。

(2)宇宙飛行士は、宇宙空間で毎時45マイクロシーベルトの放射線を浴びている。古川さんは6ヶ月間宇宙に滞在したので、0.045ミリシーベルト×24時間×30日×6ヶ月≒180msv/6ヶ月を浴びて地球に帰ってきたが、その後何の障害も起こっていない。ソ連のガガーリンが50年前、宇宙に飛び立って以来、千人以上の宇宙飛行士が生まれたが、女性を含めて障害を起こした人は一人もいない。

(3)広島、長崎でも、生存者の追跡調査では、市内被爆者と市外の一般者を比べると、ガンの死亡率は、市外の一般者の方が高い。これは、広島の放射線影響研究所のデータである。

2.放射線は健康によい
(1)ラジウム温泉、ラドン温泉は、昔からよく知られており、人々は湯治に出かける。鳥取県の三朝温泉は、ラドン温泉であるが、区域内の住民のガン死亡率は、全国平均の半分以下と、はっきりした差が出ている。

(2)世界には、自然放射線の強い地域がある。日本の自然放射線は、2.4msv/年、それに対して、インドのケララは日本の9倍、イランのラムサールは、24倍である。24倍とは、2.4×24=58msv/年。日本政府の規制値は20msv/年であるが、これらの地域では、住民に妊娠、出産、幼児、子供、成人のどの過程でも、何の問題もなく生活しているだけでなく、ガン患者は少く長寿である。

3.ホルミシス効果と政府規準の根拠
(1)放射線には、ホルムシスの性質がある。ホルムシスとは、少量であれば有益であるが、大量では有害というものである。これをホルムシス効果という。インフルエンザの予防接種を思い起こせばよく分かる話である。

このホルムシス効果は、大多数の物質において生じることが証明されている。放射線に関しても、低線量放射線の有益性を示す科学論文は、多数発表されている。

(2)ホルムシス効果はどうして生じるのか、現代の細胞学では、人間の体内には数多くのDNA修復酵素があり、放射線でDNAが破壊されても、酵素により破壊されたDNAの修復が行われていることが明らかになっている。そして、ある量以上の放射線を浴びると、破壊作用の方が勝り、ある量以下では修復促進作用が勝って、その結果、身体は健康になると言うのである。

この境界の値を「閾値」(しきいち)と言い、少なくとも100msv/年は、むしろ健康によいというのである。

(3)国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告では、1年間の被爆限度となる放射線量を、緊急事故復旧時では、1~20msv/年としている。政府が決めた基準値20msv/年は、これに基づいている模様である。

しかしこれを決めた根拠とする仮説は、今では間違いであったことが証明されている。その仮説とは、「LNT仮説」と言う。LNTとは、「Linear No Threshold」の略、Thresholdとは閾値のことで、閾値がない仮説と言うわけである。

放射線被曝は、大量になればなるほど、健康障害を起こすことはデータで証明されているが、その増加曲線をデータのない低線量の場合に、直線を反対側に引いて予測したのである。データがないのは当然で、問題がないからである。

そこにはホルムシス効果の概念はないし、閾値の概念も生まれなかったのである。何故そうなったのかには3つの理由がある。

①LNT仮説の提唱者は、1946年度ノーベル賞受賞者のマラー博士である。マラー博士は、ショウジョウバエのオスへの放射線照射によって、仮説を検証してデータとして正しさを証明していた。

②しかしその後の研究で、何とショウジョウバエのオスは、DNA修復力を持たない極めて希な例であることが分かり、ショウジョウバエのデータは一般には適用できないことが分かって、仮説は完全に崩壊した。

③問題は、世界中の学会がマラー博士の権威に引きづられてしまったことであり、今でもそれが続いていることである。それはなぜかと言えば、低放射線は有益であるという理論が、まだ広く認められていない状況下で、「無難」であることを選択しているからである。

(4)ICRPの勧告は、「無難」をもとになされ、日本政府も、日本が世界で最もデータを持っており、また知見があるにもかかわらず、国際機関の権威に頼ったのであった。即ち、官僚的責任回避より、危険規準20msv/年が決められたと思われる。

(5)広島、長崎の原爆では、壊滅的な被害にあったために、世界中の人々は、放射線はすべて有害であると信じ込むようになった。そのため、わずかな量の放射線にも怯えるようになってしまった。

LNT仮説は国際機関の勧告に採用され、日本政府はそれに基づき法律を制定した。低線量放射線が健康に有益であると言う科学的に実証された情報は、無視されたのであった。

4.原爆の健康への効用
(1)広島、長崎の被爆者の病理に関する追跡データは存在し、日本の科学者を含む多くの研究者が研究分析している。彼等の論文によれば、100~200msv/年以下の被爆者においては、白血病やガン死亡率は、一般平均より明らかに低い。またガン以外での死亡率も低いのである。LNT仮説にはない閾値があることが示されており、それは平均すれば1000msv/年である。

これら原爆生存者に関する研究から、次のような結論が導き出される。
①一時的な放射線を浴びた後の健康に関する閾値は、よく立証されている。
②低線量放射線を一時的に浴びることは、障害の健康増進につながる。
③新しい治療法の考え方に、放射線ホルミシス効果を取り入れるべきである。

5.放射線廃棄物による健康増進
ここに至り、驚くべき結論が導かれる。
①低線量放射線は、人間の健康増進に対して、有効である。
②むしろ通常の自然環境下では、人間の健康にとって、放射線は不足状況にある。
③健康増進のためには、もっと多くの放射線が必要である。その閾値として、自然界に存在する線量2.4msv/年の3倍の60msv/年(2.4×3=72)をむしろ安全に提供することが必要である。
④従って、放射線廃棄物は、処理に苦慮するのではなく、人々の健康のために、有効利用できるのである。

《検証と提言》
(1)ラッキー博士自身は、これまで280余りの論文・書籍を発表しているところから見れば、学者としての学問的信頼度が高い人である。

(2)ラッキー博士の論は、個人的見解ではなく、世界の2000以上の論文から導き出されており、客観性が高いと言える。

(3)放射線ホルミシスに関して、1980年に「放射線ホルミシス」を出版したが、何と1269の引用文献から成り立っており、理論的には確立されている。

(4)今回の書籍においても、上記で示した内容は、すべてデータに基づいており、それらのデータは、統計的に保証できる量のものを、多分統計的な信頼性のもとで処理したものであり、データの信頼度は高いと言える。

(5)従って、ラッキー博士の説は、信頼性の高い説と言ってよいと思われる。

(6)そうだとすると、福島原発における日本政府の対応は、正しい対応からは真逆のことを行っていることになる。そのため、地域住民は、生活を追われ、塗炭の苦しみの中に追いやられたままにある。また、表土の除染などで膨大な税金を投入しようとしている。早急な是正は喫緊の課題である。

(7)そのためには、政府は総力をあげて、関係する国内の研究機関等を動員し、ラッキー博士の説を検証すべきである。

(うまし太郎)
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エネルギー | コメント:(1) | トラックバック:(0) | 2012/04/18 11:05
コメント:
広島の被爆に思う
昨晩、NHK/BS3の市電の番組を見ていたところ、広島電鉄(広電)で原爆投下時、広電の運転手だった女性が語っていた。
爆心地から2キロの距離で、爆風で口の中に砂などが入ってきたこと。
3日後には、破壊された広電の復旧工事が行われたこと。

私見ですけど、おそらく、食べ物などは畑に行ってとってきたか、作物つくりに耕作を始めたのではないでしょうか。瀬戸内海の海からは魚もとってきて食べたはずです。
実際問題として、福島原発事故前の関東地区の放射能の調査結果がどのようなものだったかと言うことさえ不明瞭に思えます。
自然放射線量がどの程度あって、どの位の数値変動があり、天候との関連性がどうだったのか。
シナの地上核実験後の日本への影響はどうだったのか。
素人として、数値への質問疑問が多すぎです。


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