除染は進まない、原発はもう止めよう

 NHKは5月17日夜7時のトップニュースで、福島県下の除染について、実施率は5%で進んでいない実態を伝えました。10分ぐらいかけていましたから、かなりの力の入れようです。なぜ進まないのか、放射線量が下がらない理由は何かをのべ、専門家の声として「国や自治体は、住民が現実を踏まえて人生設計を考えられるよう選択肢を示す必要があるのではないか」を紹介し、最後に除染が終わった地域でも、住民から再除染を求める声が出ている、しかし行政からの明確な回答が得られていない、と締めていました。

 除染は進んでいない、除染してもし切れない、もう住民は将来にわたって故郷には帰れない、住民の生活は破壊されている、この現実から住民は人生設計を考えざるを得ない、それにしても行政は何も対応出来ていないと、視聴者は不安と不信と怒りにかき立てられます。原発は事故を起こしたらこんなに酷いことになる、もう原発は止めるべきだ、と視聴者はますます思ってしまいます。

 しかしここには、NHKの陰湿な反原発キャンペーンがあるようです。まずはニュースの要旨をご覧下さい。
(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130517/k10014658411000.html)

スライド1

(ニュース要旨)

 東京電力福島第一原発の事故を受けて、福島県内で放射線量を下げるための除染が行われたのは、国や市町村が対象としている地域の5%以下にとどまっていることが、NHKの調査で分かった。
 さらに、除染が行われても、放射線量が基準とされる値まで下がらないところが多く、専門家は「除染事業の在り方を見直す時期にきている」と指摘している。
 福島県内で除染の対象となっているのは合わせて47の市町村で、原発事故の避難区域の中については国が、その外側の地域については地元の市町村が作業を担当している。このうち、これまでに除染が行われたのは、全体の5%以下にとどまっている。
 さらに、除染が行われても、福島県内の21の市町村のデータを分析した結果、放射線量が基準とされる値まで下がらないところが多いことが明らかになった。
 それによると、放射線量が、基準とされる年間1ミリシーベルト未満にまで下がらなかったのは、43地区のうち33地区と、77%に上っている。

◇なぜ進まないのか
 除染は、住宅周辺の道路を水で洗浄したり庭の表土を剥ぎ取ったりするなど手作業、時間がかかる上、冬は雪が多く作業そのものが中止になる。また、除染に伴って出た土などを一時的に保管する「仮置き場」を確保できなかった。

◇下がらない理由は
 道路のアスファルトや住宅の屋根に付着した放射性物質は極めて小さい隙間にも入り込むため、水で洗い流したり拭き取ったりしても完全に取り除くのは難しい。さらに、もともと除染の対象になっていない森林や、まだ除染が行われていない農地や空き地などに残されたままの放射性物質が、周囲に影響を及ぼし続けている。

◇専門家「除染の在り方を見直す時期では」
 専門家は「除染事業の在り方を見直す時期にきているのではないか。今のやり方で進めても放射線量が基準を下回る地域は限られる。すべての地域で住民が期待している水準まで放射線量を下げられるという“幻想”から抜け出さなければ、復興に向けた具体的計画は進まない」と指摘している。
 その上で、今後の対応について「除染によってどの地域でどこまで放射線量を下げられるのかという見通しを住民に十分に伝えることが重要だ。放射線量が非常に高いところについては移住の支援なの方策をとることが求められている。国や自治体は、住民が現実を踏まえて人生設計を考えられるよう選択肢を示す必要があるのではないか」と話している。

◇住民から再除染を求める声
 福島第一原発から南におよそ30キロにある広野町など多くの自治体は、除染が終わった地区でも、放射線量の平均値が基準とされる値まで下がらず、「再除染」が必要だとしている。住民からの要望を受け、広野町は、再除染の費用負担などを巡って環境省に協議を求めているが、今のところ明確な回答を得られていないので不安だと話している。

(ニュース要旨終わり)

 除染についての素朴な疑問があります。広島、長崎は、原発ではなく原爆ですからはるかに大量の放射線が放出されたはずですが、直後の急性被爆以降の慢性被爆に対して、除染は行われていません。それにより有意な健康障害が発生した話はないし、逆に被爆者の病理に対する追跡データによれば、年間100~200ミリシーベルト以下の被爆者において、白血病やガン死亡率は一般平均より低いとの報告があります。(ラッキー博士「放射能を怖がるな」)

 素朴な疑問の2番目は、自然界の自然放射線量は年2.4ミリシーベルトとのこと。全国にあるラジウム温泉、ラドン温泉では、自然放射線量は他よりはるかに多いはずですが、地域の住民に健康障害が起こっている話は一切ありません。

 なぜ福島は年1ミリシーベルトで除染なのか。問題の本質は、放射線量安全基準値にあります。目に見えない放射能への恐怖のために、非常識な安全基準値を設定し、それに住民も行政も振り回されていると言うのがあきれた真実のようです。

 安全基準値のおかしさについては、多くの専門家が指摘していますが、それはマスコミには登場しませんから国民は知りません。しかし政府は知らないはずはありませんが、一体どうなっているのでしょうか。

 「WiLL」6月号に、福島在住芥川賞作家で禅僧の玄侑宗久氏が「除染1ミリシーベルトの愚」を寄稿しています。玄侑氏は驚くべきことを言っています。物書きの務めとして必死に勉強した結果とのことです。

(要旨)

・「年間1ミリシーベルト」という数値は、まちがった計算式によって導かれた。長年の疫学的調査から、100ミリシーベルトを超えると初めて発がん率が0.5%上がるとされる。そのため一生の間に100ミリを超えなければよいとして、一生を100年として100ミリを100で割ったのだ。この考え方のおかしさは、その後分かってきた細胞の修復力(放射線ホルムシス効果)を考慮していないことにある。低線量の被曝はその日のうちに修復されてしまう。(0.5%とは統計的には誤差ですね。)

・年間1ミリシーベルトは、2012年4月、時の厚労省小宮山洋子大臣の思い入れで決められた。小宮山は「それまで暫定基準年5ミリシーベルトでも安全は確保されていたが、子供を持つお母さん達が心配していたので、安心してもらうために、年1ミリシーベルトにしなければならなかった」。
学問的根拠によるものではなく政治判断だった。

・低線量の被曝影響について学術論文を手に入る限り読んでみた。すると年20ミリシーベルト以下の線量については、こんなに身体に良いと言う話しかないなかった。

・2002年、長瀬ランダウア社が全国14万9000カ所で測定し続けた値では、年1ミリシーベルトを超す県が11カ所ある。それはどうも西の方に偏っている。中国のウィグル地区での核実験の影響ではないか。しかし除染などしていない。

・昨年12月、国連の原子放射線の影響に関する科学委員会は、福島原発事故後の検証結果として、「認識できるような健康被害はなかった」としているが、マスコミは一部を除き報道していない。

(要旨終わり)

 玄侑氏は、NHKの番組「視点・論点」で除染について述べているそうです。従ってNHKは上記の内容は知っているだろうし、少なくとも番組制作者は、原発賛否の両論を調べて、低放射線量無害説などは承知しているはずですが、その視点での検証と問題提起の番組制作はないようです。

 NHKの今回のニュースの「除染が進まない」問題に対して、根本問題として「なぜ年1ミリシーベルトなのか」が問われるべきなのに、NHKが登場させた専門家は、年1ミリシーベルトを前提にした専門家でした。NHKは、専門家登場で公平を期したのかも知れませんが、これは騙しです。NHKの意図は、冒頭に述べたように、視聴者の原発への不安と不信を煽り、確信的に反原発を進めようとしているようです。菅直人等民主党政権はイデオロギーとして脱原発に舵を切りました。NHK内にも同様なイデオロギストが巣くっているようです。

 安倍政権は、放射線量安全基準について検証し、愚かな除染を停止し、さらには原発再稼働に向けて、施策を講じるべきではないでしょうか。そうでなければ、好調なアベノミクスもエネルギー問題で危うくなると言うべきでしょう。3本の矢に加えて、原発再稼働の4本目の矢が必要です。

以上
(うまし太郎)
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未分類 | コメント:(1) | トラックバック:(0) | 2013/05/18 11:00
コメント:
No title
 民主党の内閣は、確信犯的に日本を潰しに掛かっていたとしか思えません。
 色々言い訳していますが・・・というより全て言い訳ばかりです。
 こうしてデマやごまかし、オブラートにくるんだ毒薬も、マスコミがあたかも実態であるかのように何度も何度も刷り込み、嘘が本当のように固定化します。所謂従軍慰安婦、南京、大東亜戦争侵略説、みんな独裁政権のマスコミ利用術をそのまま踏襲しているものです。
 本当の近現代史を理解したものが、説明しても洗脳された人は目を醒ますのが怖いのです。
 自分のアイデンティティーを否定されることだからです。でも誰がそれを刷り込んだのか?に気がつけば、薄紙を剥がすように本当の事が見えてくるはずです。
 

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