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【櫻井よしこ、美しき勁き国へ】原子力発電所事故について

櫻井よしこ先生がこのような話を出されました。

規制委、科学に徹すべし
 いま国民の最大の関心事であり、国際社会が日本の原発の安全性を判断する基準として注目するのが福島第1原発(1F)の汚染水処理だ。
 日々約400トン増える汚染水はタンク930基で33万トン規模に膨らんだ。タンクから汚染水が漏れ出し、汚染水の発生自体も止められないでいるのが現状だ。汚染水処理と汚染の発生を止めるという重要な2つの課題への取り組みで最も大事なことは、科学の視点だが、原子力規制委員会の田中俊一委員長は7月24日、こう述べた。
 「多少なりとも放射能を含んだ水は排水しないと、1Fの始末はできない」「いろんな形で除染するとき、必ず汚染水が出る。排水基準以下になったものをある程度排出することは多分避けられない」
 汚染水は海に流さないとの前提に立つ現在の対策の変更を示唆する発言に続いて「いまのレベルの濃度で出ているというか、定常状態でもかなり出ているところもある。施設によっては、日本だけでなくて外国でも」と語る。
 基準値以下に希釈して排水の申請があれば認めるかと質(ただ)され、「そういうことになろうかと思う」とも答えた。
 実は氏の発言は少なからぬ専門家らに共通する考えである。この重要発言に続いて、氏はサラリと語った。排水となれば「風評被害などが起こる」、その手当ては別問題で「自分の所掌ではない」と。
 1Fの汚染水は多核種浄化システム「アルプス」などで処理すれば、大部分の放射性物質は回収されるが、トリチウムは残る。トリチウムは水素の同位体で、化学的な性質は水とほとんど同じであるため、回収や濃縮は不可能だ。これを北海道大学の奈良林直教授は、「1トンの水道水に1滴の井戸水を混ぜると井戸水だけを回収できないのと同じ」という喩(たと)えで説明した。
 だが、トリチウムを含む汚染水を海に流して大丈夫なのか。静岡県立静岡がんセンターの山口建総長は、トリチウムは水の形で取り込まれるため、全ての細胞に入り易(やす)いこと、トリチウムの元素はDNAの構成要素にもなること、DNA損傷のエビデンスはないが、影響を及ぼす可能性は指摘されていると語る。
 その種の危険が指摘される一方で、処理水が現在も国際社会で排出されているのは、水の形で存在するトリチウムは人体にも魚介類にもほとんどとどまらず排出され、臓器に集まる特性は認められていないとされているからだ。
 だが福島の汚染水は際限もなく続く原発のトラブルと原発への不信の象徴となってしまっている。その中で、世界で行われている排水が福島でも許されるのかが問われているのだ。
 汚染水はまず何よりもその発生源を止めなければならない。それを監督するのが規制委員会の役割である。
 従っていま重要なのは、40万年前に1回動いたか動かなかったかといった活断層の議論ではないはずだ。建屋の止水対策がしっかりできているかをこそ、真っ先に審査すべきだ。汚染水は、止水対策がしっかりしていれば発生しない。規制委員会が審査の優先順位を間違えているために、汚染水対策まで後手に回っているのである。
 にも拘(かか)わらず、原子力規制委員会は原発潰しを目的とするかのような非科学的な活断層議論を現在に至るも展開中である。典型例のひとつが日本原子力発電敦賀原発2号機の真下を通る断層についてのそれである。島崎邦彦氏をトップとする専門家チームは同断層を満足に議論することもなく活断層だと結論づけた。
 日本原電の公開質問状や異議申し立てに対して、島崎氏は「逐一答えるということではない。全体のことを理解していただくようにしたい」と言うが、全体を理解するためにこそ緻密な科学的議論が必要であろうに、不思議な反応である。
 活断層か否かを議論する中で、日本原電が提出した原発サイトの断面図がある。この図を島崎チームは縦方向だけ2倍に引き延ばして、立地するサイトの急傾斜を強調している。こんな小細工を弄(ろう)して得た結論に、チーム内部から強い非難が噴出したのは当然であろう。堤浩之京都大学准教授が「根幹にかかわるデータがかなり不足している」と批判し、藤本光一郎東京学芸大准教授は「学術論文には到底書けないもの」と、驚くほどあからさまな批判を展開した。
 産業技術総合研究所主幹の杉山雄一氏も、規制委員会が「活断層」と判断した議論より、活断層を否定する日本原電の主張のほうが「合理的で可能性が高い」、「公平に扱っていない。なぜそう判断したのか、説明が抜け落ちている」とコメントしたが、島崎氏らはどう答えるだろうか。
 国民にとっても世界にとってもいま必要なのは公正で科学的な議論だ。原子力規制委員会も傘下の専門家チームも全員が襟を正して科学に徹すべきである。
 この原子力規制委員会の人選をした民主党は、原発事故の収束という「戦後処理」(田中氏)のような大問題の責任を東電1社に押しつけた。自民党はその路線の大転換を決定した。であれば、政府の責任において、科学に徹して処理を進めることに、私は期待したい。汚染水漏洩(ろうえい)の元を断つ止水対策と貯(た)まった汚染水の処理を含めて福島の復興をやり遂げない限り、日本の未来はないのであるから。


見ていて思いましたが、原子力規制委員会は原子力の運営するための監視機関ではなく原子力発電を潰すために組織されたような組織に見えますね。
少なくとも全く自ら動くことなく時間だけが過ぎて行き、何ら有効な手立てを行うことができていません。
科学的な根拠をもとにした議論、それはよく話のわかっていない人間が言うゼロかイチかの論理ではありません。
可能性はどのくらい有り、損害がどれだけになるか、そしてその天秤を見極める、それを元に議論してより良い方法を探っていくものです。
決してあきり理論で行ってはなりません。
電気は必要であるか否かは人それぞれです。原子力でなくとも賄えるという人もいます。
であるのであればその根拠を示す必要があります。
原子力でないといけないというのであればその根拠が必要です。
よくテレビ等で騒いでいる人はその根拠を示しつつ話す必要があります。
根拠がなければただのカルト宗教となんら変わりはありません。
きちんと見極めていきしょう。
脱原発
(ブラッキー)

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技術 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2013/09/05 06:00
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