アキとカズ-遙かなる祖国

 昨年暮れの安倍首相の靖国神社参拝に対して、アメリカは間髪を入れずに「失望」の念を表明しケチをつけてきました。また安倍首相は、3月14日の参院予算委員会で、河野談話の見直しをしない方針であることを表明しましたが、裏にアメリカの圧力があったと言われています。

 戦後レジームからの脱却を唱えた安倍首相は、アメリカからは安倍は極右ナショナリストとの誹謗を受けています。日本の病は戦後自虐史観です。「日本を取り戻す」それは戦後自虐史観からの脱却を意味します。しかしそれはアメリカにとっては東京裁判による戦後体制への異議申し立てになり極めて都合が悪い。従って陰に陽に日本に圧力を掛けてきます。しかしどこかではこの問題をクリアしなければ自虐史観から解き放たれた輝く日本はありません。

 問題は、例えば日本人自身が終戦の前後にどのような非道な目に遭わされたかなどの歴史的事実を知らないことです。知らないどころかアメリカの「自虐史観植え付けプログラム」に乗せられたまま、加えて巧妙な検閲により事実を知ることを禁じられ、今だ政も官も財も学もマスメディアも、圧倒的に自虐史観のままです。従って怒ることも忘れ去られて戦後体制への異議申し立てが国民世論になりません。

 「失望した」と言われたら「お前からは言われたくない」と国民レベルで言い返さなければならないし、「セックス・スレイブ」と言われたら「スレイブの本家はお前ではないか」と国民レベルで反論出来なければなりません。そのような世論が形成されなければなりません。

 そのためには、強制的に忘れさせられた歴史の事実を国民がすべからく知る必要があります。国民がすべからくとは、誠に前途遼遠な話になってしまいますが、映画や小説が大きな役割を果たすことがあるように思います。新聞小説などは、購読者が多いだけに、より多くの影響力を持つでしょう。

 このような考えがあるのかどうか分かりませんが、産経新聞はこの3月25日、社告で4月からの連載小説を、通常は高名な作家にお願いするところを自社の編集委員の喜多由浩記者が執筆すると発表しました。

 喜多由浩記者は、昭和59年、産経新聞社入社。社会部、韓国・延世大学留学、月刊「正論」編集部次長などを経て、平成21年から文化部編集委員。主な関心分野は朝鮮半島問題、戦後処理問題などとのことです。「正論」平成17年1月号で「戦後補償の亡霊にとりつかれた日本のサハリン支援」などを書かれています。

 小説の題名は「アキとカズ-遙かなる祖国」。昭和元年、大阪の老舗の商家で生を受けた双子の姉妹「昭子(アキ)」と「和子(カズ)」は新年号から名前をもらいます。当時は多胎児を嫌う習慣から里子に出され、昭子は当時日本領だった南樺太へ、和子は戦後、帰国事業によって北朝鮮に渡ります。そこではすさまじい困難と苦労が待ち受けているのですが、それはこれからの小説のお話になります・・・。

 アキは昭和20年、樺太から引き上げることになります。その時何が起こったのか。小説ではほとんど知られていないソ連の暴虐ぶりを書き記します。
 カズは東京でアメリカによる東京大空襲に遭遇します。東京大空襲は事実として多くの日本人は知っていますが、GHQの洗脳によりそもそも侵略戦争を始めた日本が悪かったから仕方がないと思い込まされています。しかし人類史上特記されるべきジェノサイドであったのです。小説では、どのようにジェノサイドであったかを情景から描き出します。
 戦後の日本社会で朝鮮人が大暴れし、「朝鮮進駐軍」と言われましたが、その悪逆ぶりと禍根が今にも続いているのを現代日本人は忘却しています。小説はその朝鮮人を背景とした物語の進行中で、「朝鮮進駐軍」に触れるのかどうかは分かりませんが、触れて欲しいと思います。



 以下、小説でのソ連軍の悪逆非道、アメリカによる東京大空襲の場面を紹介させていただきます。知っている人は知っている話でしょうが、新聞小説で描かれるところに意味があると思います。

●ソ連軍の悪逆非道
 小説数日分のこの場面を喜多由浩氏は「暴虐のソ連兵から12人の少女を守り、死んだ日本人」として次のように解説しています。

アキとカズ-遙かなる祖国・挿絵

《紹介始め》
 樺太では「終戦の詔勅」(昭和20年8月15日)以後も、ソ連軍によって地獄絵図のような一方的な殺戮、略奪、日本人女性へのレイプが行われていたことは、ほとんど知られていません。

 8月9日朝、満州(現中国東北部)から数時間遅れて北緯50度線(樺太の日ソ国境)を超えてきたソ連軍は兵力3万5千、戦車100両、航空機100機、そして海からは太平洋艦隊の戦艦、駆逐艦、潜水艦…。

 守る日本軍はもはや1両の戦車も、飛行機も、高射砲もありません。小銃や手榴弾にもことかき、急遽、退役軍人や中学生(旧制)、若い女性まで動員し、「にわか部隊」を作って、必死に防戦しましたが、まるで「鬼と赤ん坊」。まさにソ連軍は無人の野を行くかのごとしでした。

 日本軍は何度も停戦の軍使を向かわせますが、ソ連軍は問答無用とばかりに射殺します。その上、白旗を掲げた一般住民の女、子供にまで情け容赦なく、銃弾の雨を浴びせたのです。 

 こうした絶体絶命の状況の中、アキは前線に取り残された女子防空監視隊の少女12人を救い出すため、決死隊を募り、「死化粧」をしてソ連軍に立ち向かいます。しかし、現場にたどり着いたときにはすでにマンドリン(サブマシンガン)を持ったソ連兵が…。

 「遅かったか…」と思ったその瞬間、一般住民でつくる義勇戦闘隊の中年のおじさんが割り込んできます。そして、日本軍が対戦車特攻用に開発した小型爆弾を胸に飛び込み、自分の命と引き換えに12人の少女たちを救うのです。設定は変えていますが、樺太での女子防空監視隊の救出劇は実際にあった話です。

 樺太における悲劇といえば、映画『氷雪の門』で描かれた真岡郵便局女性電話交換手「9人の乙女」があまりにも有名ですが、8月15日以降も攻撃をやめなかったソ連軍によって、命を絶たれたのは彼女たちだけではありません。北部西海岸近くの炭鉱付属病院で起きた『23人の若き看護婦たちの悲劇』もその1つです。

 8月16日、18歳から32歳までの23人の看護婦は、ソ連軍が迫ってきているのにもかかわらず、重病で動けない患者の世話にあたっていました。

 「早く逃げてください」と患者から何度も懇願されますが、どうしても見捨てていくことができません。ようやく婦長の決断で、撤退を始めたのは、丸1日たった後のこと。そのときすでにソ連軍は目の前まで来ていたのです。

 「捕まって身体を汚されるならば自ら死を選ぶ…」。電話交換手たちと同じく、最期の最期まで職務を遂行し、いざとなれば従容として死を受け入れる。23人の看護婦は、楡の木がある小高い丘に集まり、みんなで歌を歌いながら薬を飲み、互いの手首の静脈にメスを入れてゆく。6人が亡くなりました。

《紹介終わり》

●東京大空襲
 小説の13回目、5月8日号では東京大空襲が描かれます。解説ではなく生の小説の一部です。

《紹介始め》

「ジャップが、二度と立ち上がれないように徹底的にたたきつぶすんだ!」

 昭和20年3月10日、わずか2時間あまりで10万人が殺された東京大空襲。

 非戦闘員の一般住民をも狙った無差別爆撃は、米軍がそれまでの方針を百八十度転換するべく、用意周到に準備を進めてきた作戦であった。

 前夜、米軍サイパン、テニアン基地を飛び立った334機のB29は東京上空に差し掛かると、まず爆撃の妨げになる日本軍のサーチライトを破壊する。

 四方八方を囲う「火の壁」を作って逃げ道を無くした上、集中豪雨のように計約2000トンの爆弾、焼夷弾を1500~3000メートルの低空からバラまき、下町の人口密集地を徹底的に焼き尽くしたのである。

「ゼリー状のガソリンを上からまかれた」

「B29の機銃掃射に追いかけられた」

 さまざまな証言がある。

 この日投下された焼夷弾には2000度もの高熱を発して鉄板を溶かしたり、有毒ガスを出し、人間の骨まで腐食させる威力があった。水をかけても消火効果はなく、かえって炎を拡散させてしまう。

 悪魔のような「皆殺し爆撃」を立案したのは、サイパンの米空軍爆撃隊のゴメス司令官。ドイツ・ハンブルク大空襲の指揮官として悪名をはせた男である。

 日本への空襲はそれまで、主として高高度からピンポイントで軍事・工業施設を狙うやり方だった。

 ところが、この爆撃作戦はあまり成果を挙げることができない。業を煮やした米空軍は、指揮官としてゴメスに白羽の矢を立て、ハンブルクと同じく、非戦闘員の一般住民をもターゲットにした「低高度・夜間・焼夷弾」の無差別爆撃に踏み切る。

「被害者のことは忘れるんだ」

 ゴメスはハンブルク大空襲のとき、逡巡する搭乗員にこう告げた。同じ西洋人にしてこうなのだ。黄色い肌のアジア人には躊躇(ためら)いもなかったろう。

 これが、日本の首相の靖国参拝に「失望」を表明した国がやったことなのである。

 戦後、日本政府はこの男に「航空自衛隊の育成に功績があった」という理由で、勲章(勲一等旭日大綬章)を贈っているのだから、おめでたい。

「犠牲者は2度、葬られたに等しい。こんなに破廉恥で不条理なことはない」

 虫けらのように殺された遺族や被災者の悔しさは想像してあまりある。

《紹介終わり》

 日本人は、70年もの前の過ぎ去ったことをことを思い出して、今さら相手に対して悪意をかき立てると言うことはやりません。しかしウソ八百で日本が世界から誹謗中傷され、名誉を毀損されている現実に対しては、「お前の国こそ一体何をやったのか」と事実を突きつけて反論できなければなりません。それが国民世論になることが政府・政治家をバックアップしていくことになると思います。産経新聞と喜多由浩記者には大いに期待したいと思います。

以上
(うまし太郎)

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未分類 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2014/05/25 08:56
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